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2002年10月9日
vol.16「時間と運の関係」

前回は「運」と「縁」についてお話をいたしました。

その関連として、今回は「時間」と「運」について少しお話しいたしましょう。
「運」という字を分解してみると、「軍」と「之繞」に別れます。
軍はさらに「う冠」と「車」からできています。

「軍」は「軍隊」のことです。
「軍」は、天蓋のついた車、すなわち、
「皇帝」「宰相」「軍師」「将軍」などが座上する「指揮車」の意味でもあります。
「之繞」は物事が経過して行く様を表した文字です。
このことから、「運」は軍という「力や勢いの象徴」が動いて行く様子を表したものと見てとれます。

では、「力や勢い」は何によって運ばれていくのでしょうか。

それは、あらゆる人間に平等な「時間」によってです。
この世のことは、ほとんどが不平等で、
完全に平等なものなど、ないと考えるほうが妥当のように思われますが、
「時間」というものだけは、まず、間違いなく「完全に平等」です。
老若男女、富貴卑賤、人種を問わず一日は24時間です。

「運」はこの「時間」の中に内包されている事柄であり、
運だけが独り歩きすることはありません。
運がいいのも時間の中でのこと。
運が悪いのも時間の範疇のことなのです。

前回もお話したように、
「運」というものは、本質的に、自分自身ではどうすることもできません。
主導権は常に「運」の方にあり、
たまたま運の女神が微笑んでくれている間だけ、「幸運」に恵まれるわけです。
また、好むと好まざるとに関わらず
不運の女神が寄り添ってきてしまえば、「不運」に陥るでしょう。
これは、仕方がないことです。

しかし、これも前回お話したことですが、「運」は「縁」を用いることによって、
多少とも人為的な変化をもたらすことができるキャパシティーを内在しているように思われます。

同じように、「時間」の遣い方によっても、「運」を引き寄せることができるのではないでしょうか。

私が、長い間、職業として「時空」というものを客観的に眺めてきた結果、自信を持って言えることは
「時間を上手に使うことのできる人は開運するチャンスが多い」ということです。
同時に、これは「時間を上手に使わない人は運に見放されることが多い」ということでもあります。

先程も申しました通り、時間は万人に与えられた平等の資本です。
ですから、資本主義的に考えれば、時間という資本をいかに有効に活用するかによって、
「運」も大きく変化していくというわけです。

当たり前のようですが、この当たり前が、当たり前としてきちんと認識できている人は
案外少ないものです。

運勢が悪くなってのたうち回っている人、
あるいは、これから不運に見舞われる予兆のある人を冷静に観察すると、
時間の観念が破綻していることが多いのです。
しかも、当人は、それにまったく気がついていないのです。ここが怖いですね。

このタイプの人は、自分では一生懸命に生きているつもりなのですが、
始めから時間という線路を逸脱して人生列車が驀進しているのですから、
行き着く先は脱線転覆です。
しかも、事故原因の本質が当人に理解できないので、何度も失敗と不運を繰り返し、
やがて、信用と信頼を失って運が先細りしてしまいます。

もし、あなたが、幸運の女神をグッと手元に引き寄せておきたいと思っているなら、
まず、日常生活の中で時間の使い方を見直しましょう。
時間がきちんと管理できるようになると、運勢は必ず好転の兆しをみせるはずです。