- 2003年6月13日
- vol.18「不運の方程式」
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私のところへ相談におみえになる方は、多くの場合、何らかの悩みを抱えています。
当たり前といえば、当たり前。
幸せの絶頂、あるいは歓喜のど真ん中で、青い顔をして相談に来る人はいないわけです。やっぱり、運にかわいがられていないから、何とかしたいと思っておいでになるのです。
カウンセリングという仕事を35年近くやっていると、俗に言う、運の悪い人、すなわち、
何をやってもうまくいかないタイプ、巻き込まれなくてもいいような災難に巻き込まれるタイプ、
とかく問題を起こしやすいタイプ、あるいは、問題を抱え込みやすいタイプというものがあるのが、
うっすらとではあるけれどわかるような気がします。不運の反対が幸運ならば、それを手に入れるために、
不運の方程式を研究しておくのも悪いことではありますまい。
逆はまた真なりです。今回は、不運体質の人を図鑑風に陳列しておきますので、とくとご覧ください。
……まさか、あなたはこの中にいないでしょうね。
まず、不運体質の人は姿勢が悪い。
これは、運が悪いから姿勢が悪いのではなくて、
姿勢そのものが悪いので、不運を呼び込んでいるのです。
いわば、不運が忍び寄りたい姿勢というのがあるんですね。視線が定まらない人も不運や貧乏神が好むタイプです。
対面していてもいつも気が散っていて、人の話しを聞いているようで聞いていない。
特に大切なところを聞いていない。
対話しているのに視線を宙に迷わせている時は、多くの場合、
自分の世界に入ってよからぬことを妄想していることが多いのです。
話をきちんと最後まで聞かないので、物事が中途半端になり、
結果的に物事が成就しない、ということになります。返事がはっきりしない人。これも不運の餌食ですね。
返事をはっきりしないのは、お互いのコンセンサスが取れていない証拠で、心が通っていません。
意思が疎通しないのですから物事がうまく運ぶ道理もなく、結果は惨憺たるものになることは自明の理。
だから、私は、返事の出来ない人とは仕事をしません。
あえて、失敗する愚を選びたくないからです。同じように、きちんと挨拶をしない人にも不運の影はまといつきます。
挨拶するのが照れると言い訳をする人がいますが、
幼稚園児でもあるまいし、成人にそんなばかげた理由は通じません。
きちんと挨拶しない人と私はつきあわないことにしています。
何も不愉快な思いをする必要はないからです。借りたものを返さない人にも不運は寄り添ってきます。
借金の返済は当たり前のことです。
借金取りを悪く言う人がいますが、借りたものを返さなければ取立てが来るのは当然のこと。
仕事をする上で銀行から適正な利息を払ってお金を借りることはやむを得ませんが、
遊興費を借金するのは不幸の始まりです。
遊びというものはお金を借りてまでするものではありません。
嫌な気分になるツケが回ってくるのはわかりきっているのですから。お金だけではなく、本やCDなど、日常的なものを借りて直ぐに返さないのも信頼が薄らぎ、
やがて人間関係が破壊されます。
大丈夫だろうと思っているのは借りた当人だけ。ちっとも大丈夫ではありません。
借りたものをきちんと返さないのは不幸の種を蒔いたようなものです。優柔不断の人も運は悪くなりますね。
優柔不断とは、考えがまとまらず、自分の意思がはっきりしないことです。
人間、何をするにしても結果にたどり着く方法論や道筋はいくつもあるでしょう。
どの道を選ぶべきか、慎重に考慮するのは正しいことです。
軽挙妄動は小石に蹴躓くもとですから。
しかし、物事の本質を深く考えず、愚行の渦に巻き込まれて明快な方向性が得られないのは不幸です。
取り越し苦労と同じような不幸な体質ですね。
私は優柔不断な人とは私生活では深く関わらないことにしています。
当人の逡巡はともかく、こちらの神経も疲労してしまうからです。根暗な人に関わり込んで行くのも不運を呼び寄せるようなものです。
根暗な人というものは、本人がそういう性格を直そうと思わない限り、簡単には直らないものです。
なぜなら、ネクラ本人は、それほど自分がネクラだとは自覚していない場合が多いからです。
自覚のないことをこちらから強制的に矯正しようとするのは余計なおせっかいと言うべきでしょう。
善意であろうと、たのまれもしないのに根暗に関わりこんで、
自分が不幸になってしまった人の例は枚挙に暇がありません。
特に、女性は根暗な男が魅力的に見えるのか、そういうタイプに吸い寄せられることがあるようです。
しかし、多くの場合、根暗というのは一種の傲慢、利己主義であって、
ジッと穴の中から獲物の通りかかるのを待っているウツボのようなところがあるのも事実ではないでしょうか。
私は、根暗を排斥するつもりは毛頭ありませんが、根暗の傲慢につきあうつもりもありません。
本人が根暗脱出を図る意思があるならいくらでも手伝いします。
でも、自分から関わり込みをして不運の地雷を踏む危険は避けたいと思っています。ちょっと思いついたことを並べてみるだけでも、不運の罠は結構あるものですね。
今回はこのあたりにしておきますが、折をみて、また、続きをいたします。あなたは、ぜひ、不運の影に忍び寄られないように、気合いを入れて夏をすごしてください。