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2015年2月27日
vol.06「夢の考察:不安という安心感」ステラ・ボンボヤージュ

こんにちは、ステラです。
今日は、いまだ解明されない夢の不思議、
そして夢を見ているときの心理状態について、
ちょこっとお話をしてみたいと思います。

ところで、みなさんは「夢占い」と「夢判断」の違いって
何だと思いますか?

「夢占い」は、その国の歴史や文化的背景、
宗教によって異なると思いますが、
日本では、「白蛇が夢に出てきたら金運上昇」
「富士山が出てきたら立身出世の暗示」など、
俗にいう縁起のいい夢・悪い夢を指します。
つまり万人に共通するのが「夢占い」ですね。

一方、「夢判断(診断)」は、
夢に出てきたものが何を象徴するのか、シンボルからメッセージを引き出して、
個人の性格やバックグラウンドと照らし合わせたりかけ合わせてみたりと、
「夢占い」に比べると分析的な要素が多く、深層心理を探ろうとするものです。

もちろん、どちらが「正しい、正しくない」
もしくは「当たる、当たらない」という話ではありません。

「夢判断」「夢分析」といえば、みなさんご存じの通り、
フロイトが草分け的な存在ですね。

ちなみに、彼の著作である「夢判断」が出版されて今年で115年が経ちます。
精神分析学の創始者であるフロイトにとって、
夢を解釈することは「無意識を知るための王道」でした。
そして、主に抑圧された性的欲求(リビドー)の願望充足として
夢をとらえたのです。

そんなフロイトの解釈を真っ向から否定したのが、
今日も米国に健在で夢や睡眠を研究している精神科医アラン・ホブソンです。

彼は「夢とは睡眠中に自己活性化した脳の活動」と自説を唱え、
夢のシンボルから意味を引き出すことはナンセンスだと言っています。
また、ホブソンの実験データによると、夢における感情で最も多いのが「不安」、
そして2番目が「高揚感」、3番目が「怒り」だそうです。
この3つの感情が、夢で感じる70%の心理状態を占めているというのです。

不安やストレスを解消するために見るとされる夢の世界でも、
不安な感情がつきまとうなんて不思議だと思いませんか。

もちろん、「不安な夢=悪い夢」というわけではありませんし、
現実の世界での不安を夢で追体験することによって、
不安を解消していることもあるかと思います。

それでも、往々にして私たち人間は、
未来に対して多少なりとも不安を抱えながら生きています。
もし日常生活において、強い不安を抱いているとしたら、
せめて夢の中では不安を払拭するくらい
ハッピーで楽しい体験をしたいと思いますよね。

反対に現実世界で非常に嬉しいことがあったときはどうでしょう。
たとえば宝くじで高額当選して喜んでいる場合、どんな夢を見やすいでしょう。

夢とはアマノジャクなもので、大体において、
夢ではお金をなくして嘆いていたり慌てていたりといった、
現実とは反対の「不安」なアプローチで迫ってくるでしょう。
なぜなら、「宝くじに当たった」=「幸せすぎて怖い」という不安を夢に投影しているからです。

そう考えると、結局、人間という生き物は心のどこかで不安を感じていないと、
皮肉なようですが居心地悪く感じるのかもしれません。
いくら幸福感や安心感に包まれていても、
光と影のように不安な部分もないとバランスが取れないのではないでしょうか。

今宵、あなたが夢の中で味わう感情は、
あなたの心のバランスを絶妙なさじ加減で図っているのかもしれません。