- 2016年6月21日
- vol.22「猫の魔法」アイラ・アリス
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空前の猫ブームだそうです。
なんと、猫が日本の景気を持ちあげているとまで
言われているのですから大したものです。この猫という動物、ご存知のとおり
魔女や魔術とは大きなつながりがあります。
その血脈はエジプト神話に登場する猫の女神・バステトから始まり、
ギリシャ神話のアルテミスへと流れ込み、
さらには猫が引く車で移動するという、
北欧神話の女神・フレイアともつながります。
魔女がサバトへ行くときの移動手段としては
“猫の背中に乗って空を飛ぶ”というのが人気ですし、
日本で魔力ある猫といえば“猫又”でしょうか。占術家には犬派よりも断然猫派が多いと思うのですが、
それも偶然ではないと思います。
かく言う私もそのひとりです(犬も好きですけれどね)。考えてみれば、人間のパートナーとしてよく比較される犬の方は、
本当に頭がよくて優しくて、さまざまな場面で役に立ってくれているのに、
猫ときたらまぁ、ネズミを捕まえるくらいのものでしょう。
それも少し前までは重要なお役目だったかもしれませんが、
現代では家にネズミが出ることもあまりなくなりましたし、
はっきり言ってしまえばほとんど役に立っていないわけです。にもかかわらず人間に愛され続け、
“猫かわいがり”という言葉があるほど溺愛させてしまうところに、
猫の魔力の恐ろしさを感じずにはいられません!
現に私の周りの愛猫家たちは、例えソファがボロボロになろうとも、
引掻かれてみみず腫れになろうとも、高価な花瓶が割られようとも、
猫がちょっと足元にすり寄りさえすれば、
それで許してしまうのです(犬ならきっと大目玉です)。ただ、最近は猫の有用性(?)も研究されているようで、
例えば猫の“ゴロゴロ”音。
なんと病気や骨折を早く治す効果があるという説が。
確かにリラックス効果は高いので、
免疫力は上がりそうな気もします。また、イギリス外務、英連邦省のネズミ捕獲長に就任した
パーマストン氏(猫ね)はTwitterで大人気。
イギリスでは首相官邸にもネズミ捕獲長がいて、
正式に雇用しているんですって。
パーマストンくん、近ごろは日本語の勉強もしているようで、
日本語でのつぶやきもありました。ネットまで使って世界中から愛されるとは、
これぞまさしく猫の魔法!
世界が喜んで猫にひざまずく日も、遠くはなさそうです。