- 2017年7月25日
- vol.35「はじめに問いありき」ステラ・ボンボヤージュ
-
最近、鑑定イベントでお客様からよく聞かれる質問がある。
「普通みなさんは、どのようなことを質問されるのですか?」――1回や2回ではなく、
意外とこんなことを相談前にたずねられる。
これは、「初めて占ってもらいます」という方、
たまたま無料の鑑定会を通りかかり、
好奇心からふと立ち寄るという方の
特有の質問でもあるようだ。もちろん、たとえ占い師といえども全く初対面の相手に、
自分の悩みを突然打ち明けるという行為に抵抗を感じるのは、
ちっともおかしなことではない。
そのうえ、10分程度の非常に短く限られた時間が
それをいっそう難しくしている。
とりわけ、恋愛にまつわる悩みごとは
フクザツに入り組んでいるため、
話をよく聞いて交通整理をしなければならない。
最後の最後になって、なんとかして近づきたい相手が
実は芸能人だった……という笑えないオチもあるからだ。占い鑑定に限ったことではないが、
やはり「問い」というものは大切である。
先に生じるのは常に問いであって、
答えであることは決してない。
問いが明確であればあるほど、
答えも自ずとピンポイントでやってくるものだ。鑑定ブースのような、限られた時空間から
問いの答えを引っ張り出すには、
それ相応の集中力が占術家とクライアントの双方に要求される。
質問が漠然であったり曖昧であったりすると、
いろいろな選択肢を引き連れた答えがボワーンと出てきて
(タロットカードに例えると『カップの7』のように)、
なんとなく釈然とせず消化不良で終わってしまう。とはいえ、先述のようにすべての相談者が
最初から悩みを100%明け透けにするわけではない。
ここは、占術家として相手が聞きたいことを
いかに早く上手く引き出すかが重要である。
一通り話を聞いたあとに、
「では、質問は〇〇〇~ということでよろしいですか?」と
最後に確認するのも忘れてはならない。
そこで「いや、やっぱり本当に知りたいのは~~」と
突然話が飛んでしまうことも往々にしてあるからだ。このように、鑑定の場では
いかに問いを明確にクローズアップさせるかが肝心だ。
これから鑑定におとずれようと思う皆さんは、
訊きたいことを絞りこむという心の作業が大事であると
心の隅に留めておいてほしい。