- 2019年7月17日
- vol.58「土星より先」モナ・カサンドラ
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こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。
火星の角度が悪くなったとたんに体調を崩し、
なるほど7割(占星術の予想的中率)と、
苦笑しながら日々を送っています。火星を含め土星までの可視惑星は昔から研究され、
私達の生活に密接に関係しています。
一方、望遠鏡の発達により発見された土星より遠い惑星は、
時代、世代に影響を与えていると言われます。土星より遠い惑星は肉眼では見えず、
文明、科学の発達とともに、
その存在が明らかになってきました。
発見当時は惑星とされ、天文学では準惑星となった冥王星の先にも、
これから惑星が発見される可能性を残しています。占星術では今も惑星として扱われる、その冥王星も、
日進月歩で探査、研究が進み、
その実像が明らかになってきているようです。
その研究成果が直接、占星術に反映されることはありませんが、
とても興味深いです。当研究所のメイン研究テーマは天文心理学で、
マクロコスモスとミクロコスモスの呼応を軸にした自分神話の創造のため
予想を的中させることに重きを置いてはいませんが、
未来予知は大事な要素。
日々の運勢を天気予報のように使ってもらえたらいいなと思っています。
とはいえ、日本の天気予報はけっこう当たりますから、
占星術も頑張らないと遅れをとってしまうかもしれません。占星術での未来予測を考える時、
土星より遠い惑星、トランスサタニアンは
日々の生活のバックグラウンドとなるような
時代の趨勢を浮かび上がらせてくれます。もっとも最近、星座を移動したトランスサタニアンは天王星で、
牡羊座から牡牛座に移動しました。
こちらのコラムでも何度か取り上げておりますし、
占星術を研究している者にとっては
約7年に一回起きるちょっとした事件です。天王星は牡牛座の象徴するものに変化をもたらす、
というのが一番の影響ですが、
トランスサタニアン、土星から先の惑星の中で、この動きを考えると、
魚座を運行中の海王星とは隣同士の星座を運行していたものが、
ひとつ離れた星座に変わり、小さな吉角を作っていこうとしています。
さらには山羊座を運行中の冥王星とは同じく地のエレメンツに入り、
調和し始めました。
どちらも、まだアスペクト(角度)を形成するには至りませんが、
惑星の運行速度を考えれば数年かけ、
セキスタイル(60度)やトリン(120度)といったアスペクトを形成します。
セキスタイルとトリンは調和的といわれる角度ですから
時代の波は発展、安定の方向へ向かっているといえるでしょう。けれど、緊張をもたらす角度にもプラス面があるように、
調和をもたらす角度にもマイナス面はあります。
調和のもたらす安定は、油断や放漫を生むことも。
発展、繁栄は素晴らしいことですが、
間違いも正されることなく肥大する可能性が含んでいるのを
忘れてはいけません。そして、未来予測とはいうものの、
冥王星は未知の部分が多い惑星でもあります。
天文学的な意味だけでなく、
占星術でも、その影響がよくわかっていない部分も多いのです。
なぜなら、冥王星の公転周期は約248年。
発見されたのは1930年なので、まだ12星座を一周していません。
蟹座を運行中に発見されて以来、初めて山羊座を運行中。
今、起きていることが、
冥王星が山羊座を運行する初めての検証データということになります。そして、1846年に発見された海王星が、
12星座を一周して発見時の位置に戻ったのは、2011年。
それほど昔のことではないと思いませんか?でも、だからこそロマンを感じてしまったりもします。
土星までの星達を使った予測と違い、
海王星、冥王星を使った予測は、
まだ検証されていない推測、推論の部分が多いのです。
占星術には長年培われてきたデータとルールがあるので、
それに基づいて推測していくわけですが、
未知なる運行の影響を考えるのは、難しくも楽しいものでもあります。コールドスリープかタイムマシンが発明されない限り、
冥王星が発見された位置まで戻ってくる日を見ることはないでしょう。
冥王星は蟹座で発見されましたから、山羊座で運行中の今は、ほぼ半周。
かなりの楕円軌道のせいか、少し早めの感じです。占星術の惑星は、冥王星に限らず、
発見されてから影響が現われるとされます。
電話もパソコンもない時代に天王星はありませんでした。本来の位置とされる魚座を運行する海王星は
幻想、バーチャルの力を強めています。冥王星はプルトー。プルトニウム、核を示す惑星。
射手座の元で拡大し、山羊座に入り、縮小の流れが出来ました。
けれど、天王星との緊張が崩れ、調和的になった今、
また、新しい動きが見えてきています。
トリンの持つ調和的なパワーが、
コントロールへと向かうことを願うばかりです。星は指し示すだけ。
決断するのは人なのですから。