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2020年2月2日
vol.65「星空は変わる」朝風かおる

皆さんこんにちは。
朝風かおるです。
今回は実際の星空のお話と、
占星術についてちょっぴり(?)
お話ししたいと思います。

普段何気なく見上げている星空ですが、星は永遠に同じ位置にあり、
また星座も同じ形のままであるとは限らないことを知っている人は、
天文ファンを除いてあまりいないのではないかと思います。

例えば北極星。
現在の北極星と言えばこぐま座のα星ポラリスのことですが、
紀元前にはりゅう座のα星トゥバンだったことがありました。
また11000年後の未来には、こと座のα星ベガ(七夕で有名な織女星)が
北極星の座に就くとされています。
これは地球の歳差運動によるもので、
この影響によって春分点が少しずつ西に移動していることは、
占星術を学んでいる皆さんならご存知でしょう。

また、星(恒星)自身にも固有運動というものがあるそうで、
運動によって少しずつ位置が変わっているものもあります。
固有運動を発見したのは「ハレー彗星」で有名なエドモンド・ハレーで、
彼が観測した中にはおうし座の「ブルズ・アイ」、
アルデバランも含まれていました。
つまりおうし座のα星アルデバランは、
占星術が始まった時代には今とは違う位置にあって、
輝いていたことになります。

星の動きだけでなく、寿命で超新星爆発を起こすもの、
逆に生まれ出ずる星もあるでしょう。
現在天文ファンの間で話題になっているのは、
オリオン座のα星ベテルギウスの超新星爆発
(注:この原稿を書いている時点では、まだ爆発の発表はありません)ですが、
さそり座のα星アンタレスも超新星爆発の候補に入っています。
超新星爆発が実際に起これば、
先のオリオン座、さそり座の星図は変わってしまうかもしれません。
毎日見ている星空は目に見えない速さで少しずつ変わり、
子孫が見上げる何万年後の星空は違っているかもしれないのです。

「星座の形が変わるかも」と聞いて
ギョッとした方がいるかもしれません。
しかし、とはいっても星の動きはそう顕著なわけではなく
「数百年~千年単位で大きく変わることはない」とのことなので、
ご心配なく。

ただ、そんなことを考えると
「まさにこの世は『諸行無常』なのだな」としみじみ感じ、
(感覚ではわからなくても)翌日はほんの少し変わってしまう星空を
しっかり見たいと思ってしまいます。

では、占星術はどうなのでしょう。
占星術は実際の星座や星図を使うわけではありませんから、
星図上からさそり座の心臓(アンタレス)が無くなろうと、
おうし座の目がちょっぴりズレていようと、
関係ないといえばそうです。
でも、占星術は天文観測と切っても切れない関係があります。
それに、長い長いときの中で人間の意識も変わります。

未来では、牡羊座の人が「短気で前衛的」、
獅子座の人が「自己顕示欲が強い」とは限らないのかもしれません。
そういう定義が付けづらくなったり、
変遷していったりする可能性は多いにあります。

既に数千年の歴史があるという占星術。
数千年後にはどう受け継がれているのか、
タイムマシンに乗って確かめてみたいものです。