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2020年3月29日
vol.67「心理学と占星学」加賀宮萌

人間の意識とは全体のたった10%程度であり、
残りの90%は無意識である
…この「無意識」を発見したのは、
精神分析の祖・フロイトであります。
占星学にも縁が深いユングはフロイトの弟子にあたります。
この二人はのちに仲違いするのですが、そのあたりを描いた
『危険なメソッド』という映画はオススメです。
フロイトとユングに関する興味と少しの予備知識があれば、
面白く鑑賞できると思います。
そうでない場合は、「ユングってとにかく最低」とか
「ラスト、どういう意味?」とか、
モヤモヤした感想を抱いたり、
刺激的なシーンもあるため、
鑑賞後に気まずさや疲れが残ったりするかもしれません。
ちなみにキーラ・ナイトレイがユングの愛人役を好演しています。
さらにユングの奥様役を演じたサラ・ガドンも美しく、
本来のユングの奥様もこんな感じだったのでは…と。

さて、ルネは「天文心理学」や「時空心理学」を提唱しているので、
「研究所は心理占星学を専門にしているのですか?」
と尋ねられることがあります。
答えはNOです。
(ユングの心理学の考えをもとにホロスコープを読むという取り組みを
「心理占星学」とするのなら)
ただ、プロ養成の講座では心理占星学にも少し触れています。
占星術を駆使するなら、
ユングの教えを知っておくことは大事だと思います。
では、ルネは心理学に占星術をどう生かそうとしたのかというと、
占星術を心理カウンセリングの「ツール」として活用することを推奨し、
実践していました。
たとえば箱庭療法の箱庭の代わりに、
ホロスコープを使うような感じですね。
「ツール」なのですから、
ホロスコープを上手に読むことをゴールとせず、
そのホロスコープを活用して、クライエントの自己実現を
いかにサポートできるのかを考えるわけです。

占星術を心理カウンセリングに利用したり、
人間学の一部として学術的に研究されたりするのは、
占い好きとしては嬉しい限りです。
これから思いもよらなかったような「〇〇学と占星学」の
マリアージュが生まれるかもしれません。
それも楽しみです。
もちろん、当たる・当たらない、とゲーム感覚で楽しむのも一興。
そういった占いの汎用性や、
アンチも多いのに決して廃れ切らない占いの生命力にも感服しますね。
「何だか不思議なものよ…」と付き合い始めて、長年飽きない。
これまた占いの不思議である、と日々感じています。