- 2021年4月28日
- vol.80「変転の時代」加賀宮萌
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弊社の西洋占星術では、不変の宿命を認めますが、
自分研究と努力や心がけによって、
運命は変えられるというスタンスです。
では、宿命と運命の違いは何でしょうか。
宿命は「命が宿る」と書き、運命は「命を運ぶ」と書きます。
宿命は不変、運命は可変。
宿命は過去、運命は未来。
宿命は生死、運命は生と死の間の出来事。
人種や生まれた場所、親や体質は宿命で、
それ以外の自分で選べる事柄はすべて運命。
などなど。
私は、運命は変えられる未来であって、
私たちに平等に与えられたチャンスだと考えています。
(宿命の方は、わりと不平等ですよね)
運命と宿命は検証できるものでもないので、
明確で絶対的な答えはありません。
また、その定義は時代によっても変化します。
時代といえば、90年代から
「これからはVUCAの時代だ」と言われてきました。
VUCAとは、
「Volatility…変動性」
「Uncertainty…不確実性」
「Complexity…複雑性」
「Ambiguity…曖昧性」
という、4つの単語の頭文字からなる、もともとは軍事用語です。
あらゆる環境が変化し、未来の予測が困難になっている状況のことを
意味します。
既存の価値観やルールや経験が、目まぐるしく変化する状況に
通用しなくなるのです。VUCAという言葉は知らずとも、このたびの新型コロナウイルスの影響で
予測困難な社会の到来を実感しました。
VUCAの時代では、運命を予測することはますます難しくなります。
難しいから予測しない、というわけではないのですが、
最近の私は、自身のことについて、あらゆる未来を想像しつつも、
あまり準備をしない、という生き方にシフトしています。
「事が起こってから、どうにかしよう」作戦です。
(防災と健康管理以外)
占いでも未来予測よりもパーソナル研究により関心が向いています。
この先の読めない変転の時代に、自分の物語をどう作るか、
まずは自分のことを棚卸していきましょう、という感じです。
時代の空気によって、占いの進め方や焦点も変わってよいと思いますし、
それらを変えられるのが占いのおもしろいところだと思っています。