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2022年10月27日
vol.97「ホロスコープと文学と」アイラ・アリス

 今を遡ること数十年。
「占いは科学か」というテーマが大きく取り沙汰された時代がありましたが、
そんな中、ルネ先生はホロスコープをアートとして捉えていました。

 絵画、音楽、彫刻、ダンスなど、アートにもさまざまありますが、
中でも文学から占いの世界へ足を踏み入れた先生としては、
物語として捉えるのがしっくり来たのでしょう。
まるで文学作品を楽しむようにホロスコープを読み、
「自己神話を創造するためのツール」として扱っていました。
自分が主人公の、自分だけの神話。
これを持つことによって人は明日に希望を見出し、
日々の物語を紡いでいくことができると考えたのです。

 ところで数年前から、
私はホロスコープから詩を作るということを始めました。
最初はルネ先生の「予言詩」を真似してみたのですが
(覚えている方はどれくらいいるかしら!)、
続けるうちにちがうものに、私独自の形になってきたように思います。

 基本的には毎月の星の動きから瞑想して言葉を降ろしていますが、
ネイタルのホロスコープから、その方の人生を言祝ぐ詩もお作りしています。

 童話『眠りの森の美女』のお話では、王女が生まれたときに
国の魔女たちが「美しさ」「富」といった様々な贈り物をしました。
招かれなかった13人目の魔女が「15歳でつむに刺されて死んでしまう」
と呪いをかけるのですが、まだ残っていた12番目の魔女が、
「死んでしまうのではなく、100年間眠り続けたのちに目を覚ます」という贈り物をし、
はたして王女の人生はそれらの予言のとおりになります。

 このお話をはじめ、ヨーロッパの民話ではときどき、
生まれた子供に対して魔女や妖精が言葉による贈り物をしますね。
それと同じように、私たちにも、幸せなときも悲しいときも、
その方の人生にずっと寄り添ってくれる「言葉」があったらいいな、と考えたのです。
そしてその言葉はきっと、ホロスコープの力を借りれば
私にも拾い上げることができるはずだ、と。
ホロスコープをどうとらえるかは占術家によってもちがうと思いますが、
私は、神がこの世にたった一人のその人に授けた
「契約のしるし」「幸せへの道しるべ」だと思っています。
だからそこから導いた言葉はきっと、
その人を守ってくれるお守りにもなるはずなのです。

詩人としてまだまだ未熟ではありますが、
ホロスコープの「しるし」と言葉が持つ力を頼りに、
これからもこの活動を続けて行きたいと思っています。

*毎月の詩は、私のTwitterで公開しています。
 もしご興味のある方はご覧くださいね
 (「南斗るい」は私の詩人としてのペンネームです)。