- 2025年3月5日
- vol.119「冥王星は肉眼では見えない」モナ・カサンドラ
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風の象意が重なる2025年。
ゆっくりと動く星が星座を移動、
目に見えない流れが例年よりも激しくなっています。
昨年も冥王星が水瓶座へと移動しました。
ところで、この冥王星、水瓶座の方角で観ることはできません。
天文学と占星術では星座の位置がズレています。
占星術が成立したと言われる約2000年前の時点では、
黄道十二星座の位置は実際の天体の位置と一致していました。けれど、地球はコマのように自転していて、
その自転軸は少しずつ移動。
占星術の一年の始まりは春分の日なのですが、
この春分の日を決める春分点が移動するのです。
占星術では春分点を必ず白羊宮(牡羊座)の0度とするため、
実際の星座の位置とは異なります。
そもそも占星術の黄道十二宮は360度を均等に12で割って、
ひとつの宮は30度と決まっています。
ですが、天空の星座は30度では区切られておらず、
30度より大きかったり小さかったりしています。
ちょっと話のほうもズレてしまいました。なぜ、こんな話を?と言いますと、
「冥王星は水瓶座の方角で見えないのですか?」
という質問を受けまして。
答えは、「見えません」山羊座の方角で観測できます。
ただ、肉眼では見えないので、望遠鏡が必須です。
かなり高性能の望遠鏡でないと観測できないので
1930年まで発見されていないのです。それと、水瓶座は風の星座ですが、
冥王星が水瓶座に移動したから、
「風の時代」になったわけでも
「水瓶座の時代」になったわけでもありません。「風の時代」は、ミューテーションといわれる占星術の上の時代区分で、
約200年ごとに火・地・風・水と変わっていきます。
木星と土星の合であるグレートコンジャンクションが形成されるエレメンツが
約200年ごとに変わるため、そのように呼ばれています。
最近では2020年に地から風と変わりました。
こちらは1980年代にもプレシーズンがありました。「水瓶座の時代」はプラトン年と呼ばれる時代区分で
約2200年ごとに変わります。
春分点が黄道を一周するのにかかる約26000年を12で割っています。
歳差はコマ振り運動なので、この年からというように変わるわけではく、
こちらも行ったり来たりしながら移動していきます。今年はさらに、ひとつの星座を約7年かけて運行する天王星も
久しぶりに星座を変え、双子座へ。
逆行して一時期、牡牛座に戻ってしまうのですが、
来年には移動を終えます。水瓶座も双子座も風の星座で、風の象意がいっそう強まります。
異なるロジックが重なっているところに、大きな意味があるのです。